お墓の維持が難しくなり「墓じまい」を考え始めたものの、浄土真宗ならではの作法や費用の内訳が分からず、不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。特に、お布施の金額や手続きの流れ、離檀料に関するトラブルなど、金銭的・精神的な負担は決して軽くありません。
この記事では、墓じまいの費用総額から具体的な内訳、浄土真宗特有の供養の考え方まで、あなたが抱える疑問や悩みを一つひとつ解消していきます。失敗や後悔なく、円満に墓じまいを進めるための具体的な流れや、親族・お寺との間で起こりがちなトラブルを避けるための相談のコツも解説します。ご先祖様への感謝を形にし、ご自身の心の負担も軽くするための選択肢として、この記事があなたの第一歩をサポートします。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。
- 浄土真宗の墓じまいに必要な費用の全体像とその内訳
- 他の宗派とは異なる浄土真宗独自の供養の考え方や作法
- 行政手続きから法要までの墓じまいの具体的な手順と流れ
- お寺や親族との間で起こりうるトラブルを未然に防ぐ方法
浄土真宗の墓じまい費用とお布施に関する基本知識

- 浄土真宗における墓じまいの特徴とは
- 墓じまいの費用相場はいくらぐらいか
- 墓じまいの費用の内訳を詳しく解説
- 浄土真宗では閉眼供養が不要な理由
- 離檀料は必ず支払う必要があるのか
- 浄土真宗の本山納骨という選択肢
浄土真宗における墓じまいの特徴とは
浄土真宗の墓じまいを考える上で、まず押さえておきたいのが、他の宗派とは異なる独自の教義に基づいた考え方です。浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀如来の力によってすぐに極楽浄土へ往き、仏になるとされています。これは「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」という教えです。
このため、お墓は故人の魂が宿る場所というよりも、故人を偲び、阿弥陀如来の教えに触れるための礼拝の対象と位置づけられています。したがって、他の宗派で行われるような、お墓から故人の魂を抜くための「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式は行われません。代わりに、ご本尊や仏様にお還りいただくための「遷仏法要(せんぶつほうよう)」などを執り行います。
このように、故人の魂に対する考え方が根本的に異なる点が、浄土真宗の墓じまいにおける最大の特徴と言えます。この違いを理解しておくことが、お寺とのやり取りや法要の意味を把握する上で大切になります。
墓じまいの費用相場はいくらぐらいか
墓じまいに要する費用の総額は、お墓の立地や大きさ、新しい納骨先の種類など、様々な要因によって大きく変動しますが、一般的には30万円から300万円程度が目安とされています。非常に幅が広いと感じるかもしれませんが、これは費用の内訳が多岐にわたるためです。
例えば、墓石の撤去費用だけでも、墓地の場所が山間部で重機が入りにくいといったケースでは、人件費がかさみ高額になる傾向があります。また、墓じまい後のご遺骨の新たな受け入れ先として、費用が比較的抑えられる合祀墓を選ぶのか、個別の永代供養墓や新しいお墓を建てるのかによって、費用は大きく変わってきます。
以下の表は、墓じまいにかかる一般的な費用の項目と、その相場をまとめたものです。あくまで目安ですが、ご自身の状況と照らし合わせて、どの項目にどれくらいの費用がかかりそうか、大まかな予算を立てる際の参考にしてください。
費用項目 | 費用の目安 | 備考 |
墓石の解体・撤去費用 | 1平方メートルあたり8万円~15万円 | 墓地の立地条件や墓石の大きさで変動します。 |
閉眼供養などのお布施 | 3万円~10万円 | 浄土真宗では遷仏法要などになります。お寺との関係性で変わります。 |
離檀料 | 3万円~20万円 | 法的義務はありませんが、感謝の気持ちとしてお渡しすることが多いです。 |
行政手続き費用 | 数百円~数千円 | 改葬許可証の申請手数料や書類の取得費用です。 |
新しい納骨先の費用 | 5万円~200万円以上 | 合祀墓、樹木葬、納骨堂、永代供養墓、新しいお墓の建立など選択肢で大きく異なります。 |
このように、墓じまいの費用は様々な要素の組み合わせで決まります。まずは石材店や墓地管理者に相談し、詳細な見積もりを取ることが、具体的な費用感を掴むための第一歩となります。
墓じまいの費用の内訳を詳しく解説
前述の通り、墓じまいの費用は複数の項目から成り立っています。ここでは、それぞれの内訳について、もう少し具体的に見ていきましょう。
墓石の解体・撤去と整地費用
現在のお墓を物理的になくすための費用です。墓石を解体し、運び出し、適切に処分します。その後、墓地を更地に戻す作業までが含まれます。この費用は、墓地の面積や墓石の大きさ、そして重機が使えるかといった作業環境に大きく左右されます。複数の石材店から見積もりを取ることで、費用を比較検討するのが賢明です。
僧侶へのお布施
浄土真宗の場合、閉眼供養は行いませんが、お墓からご本尊や仏様にお還りいただく「遷仏法要(せんぶつほうよう)」や、お墓に感謝を伝える法要を執り行います。その際、読経してくださった僧侶に対してお渡しするのがお布施です。金額に決まりはありませんが、お寺との関係性や地域性も考慮して決めます。
行政手続きに関わる実費
墓じまいをしてご遺骨を別の場所に移す「改葬」には、役所での手続きが必須です。現在の墓地がある市区町村の役所で「改葬許可証」を発行してもらう必要がありますが、その際に申請手数料や、戸籍謄本などの必要書類を取得するための費用がかかります。
新しい納骨先(改葬先)の費用
墓じまいした後のご遺骨をどこで供養するかによって、費用は大きく変わります。
- 合祀墓: 他の方のご遺骨と一緒に埋葬する方法で、費用は比較的安価です。
- 永代供養墓・納骨堂: 管理者が永代にわたって供養・管理してくれるお墓や施設です。
- 樹木葬: 墓石の代わりに樹木をシンボルとする埋葬方法です。
- 本山納骨: 浄土真宗の各派の本山にご遺骨を納める方法です。
- 新しいお墓の建立: 新たに墓地と墓石を用意する方法で、最も費用がかかります。
これらの選択肢の中から、ご自身の予算や今後の供養の仕方に関する考え方に合わせて、最適な場所を選ぶことが求められます。
浄土真宗では閉眼供養が不要な理由
多くの宗派で墓じまいの際に執り行われる「閉眼供養」は、「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれ、墓石に宿っている故人の魂を抜き、ただの石に戻すための儀式です。しかし、前述の通り、浄土真宗にはこの「魂」という概念がありません。
浄土真宗の教えでは、亡くなった人は即座に阿弥陀如来のいる極楽浄土で仏になると考えられています。そのため、故人の魂がお墓にとどまっているという考え方自体が存在しないのです。お墓はあくまで故人を偲び、仏法に触れるための大切な場所ですが、魂が宿る依り代ではありません。
したがって、お墓から魂を抜く必要がないため、「閉眼供養」は行われないのです。その代わりとして、お墓に安置されていたご本尊に感謝を捧げ、元の場所にお還りいただくための儀式として「遷仏法要(せんぶつほうよう)」や「撥遣法要(はっけんほうよう)」といった法要を執り行います。言葉は異なりますが、長年お世話になったお墓に感謝の気持ちを込めてお勤めをするという点では、他の宗派の儀式と共通する心があると言えるでしょう。
離檀料は必ず支払う必要があるのか
離檀料とは、これまでお世話になってきたお寺の檀家をやめる際に、感謝の気持ちとしてお渡しするお金のことです。この離檀料に関して、「支払う義務はあるのか」「高額請求されたらどうしよう」といった不安を抱く方は少なくありません。
まず、離檀料に法的な支払い義務はありません。あくまで慣習として行われてきたものであり、感謝の気持ちを示すためのものです。したがって、お寺から提示された金額に納得がいかない場合、必ずしもその金額を支払わなければならないわけではありません。
しかし、これまでご先祖様がお世話になってきたお寺との関係を円満に終えるためには、感謝の気持ちを形としてお渡しすることが望ましいと考えられています。金額の相場は、お寺との関係性の深さや地域によって異なりますが、一般的にはお布施の2倍から3倍程度、あるいは年間管理費の数年分などが目安とされることが多いです。
注意点として、一部で高額な離檀料を請求されるといったトラブルも報告されています。万が一、法外な金額を要求された場合は、すぐに支払いに応じるのではなく、まずは親族や地域の石材店、あるいは自治体の相談窓口や仏教系の団体に相談することをおすすめします。大切なのは、一方的に関係を断つのではなく、誠意をもって話し合いを進める姿勢です。
浄土真宗の本山納骨という選択肢
墓じまいをした後のご遺骨の新たな供養先として、浄土真宗の門徒の方にとって有力な選択肢となるのが「本山納骨」です。これは、各派の本山(浄土真宗本願寺派なら京都の西本願寺、真宗大谷派なら東本願寺など)にご遺骨を納める方法を指します。
本山納骨のメリット
本山納骨の最大のメリットは、宗派の信仰の中心である本山で、永代にわたって供養してもらえるという安心感でしょう。お墓の後継者がいなくても、無縁仏になる心配がありません。また、新たにお墓を建てるのに比べて費用を大幅に抑えることが可能です。手続きも比較的簡素で、多くの門徒を受け入れてきた実績があるため、スムーズに進めやすい点も魅力です。
本山納骨の注意点
一方で、注意すべき点も存在します。本山納骨の多くは、他の多くの門徒のご遺骨と一緒に納められる「合祀(ごうし)」という形になります。このため、一度納骨すると、後から個別にご遺骨を取り出すことはできません。親族の中に、個別のお墓で手を合わせたいという方がいる場合は、事前に十分な話し合いが必要です。
また、本山が遠方にある場合、お参りに行くのが難しくなる可能性も考えられます。
これらのメリットと注意点を踏まえた上で、親族間の意向や今後の供養に対する考え方を整理し、自分たちにとって最適な選択肢かどうかを慎重に判断することが求められます。
墓じまい費用や浄土真宗のお布施で後悔しない手順

墓じまい手続きの具体的な流れ
墓じまいを円滑に進めるためには、事前に全体の流れを把握しておくことが鍵となります。思いつきで進めてしまうと、手続きの漏れや親族とのトラブルにつながりかねません。一般的に、墓じまいは以下のステップで進められます。
- 親族間の話し合いと合意形成これが最も大切な第一歩です。なぜ墓じまいが必要なのか、費用は誰がどのように負担するのか、ご遺骨はどこへ移すのかなど、関係する親族全員が納得できるよう、時間をかけて話し合います。
- 墓地管理者(お寺や霊園)への相談親族の合意が得られたら、現在お墓があるお寺や霊園の管理者に墓じまいをしたい旨を伝えます。ここで必要な手続きや書類、法要の日程などを相談します。円満に進めるためにも、感謝の気持ちを伝えながら丁寧に話を進めましょう。
- 新しい納骨先(改葬先)の決定と契約墓じまいした後のご遺骨をどこで供養するかを決め、契約します。永代供養墓、納骨堂、樹木葬、本山納骨など、様々な選択肢があります。契約すると、ご遺骨の受け入れを証明する「受入証明書」や「永代使用許可証」などが発行されます。
- 行政手続き(改葬許可の申請)現在の墓地がある市区町村の役所で「改葬許可申請」を行います。この手続きには、現在の墓地管理者から発行される「埋葬証明書」と、新しい納骨先から発行される「受入証明書」などが必要です。
- 法要の実施と墓石の解体・撤去役所から「改葬許可証」が交付されたら、お寺に依頼して遷仏法要などを執り行います。その後、事前に契約した石材店がお墓の解体・撤去作業を行い、墓地を更地に戻します。
- 新しい納骨先への納骨墓石の下から取り出したご遺骨を、新しい納骨先へ納めます。この際にも、僧侶に読経を依頼する「納骨法要」を行うのが一般的です。
これらの流れは数ヶ月単位の時間がかかることもあります。焦らず、一つひとつのステップを丁寧に進めていくことが、後悔のない墓じまいにつながります。
役所で必要な行政手続きについて
墓じまい、すなわち「改葬」を行うには、法律で定められた行政手続きが必須です。この手続きを怠ると、ご遺骨を動かすことができません。中心となるのは「改葬許可証」を役所から交付してもらうことです。
この「改葬許可証」を取得するために、一般的に以下の3種類の書類が必要となります。
- 埋葬(収蔵)証明書「このお墓に、確かにこの方のご遺骨が納められています」ということを、現在の墓地の管理者が証明する書類です。お寺や霊園の管理事務所に依頼して発行してもらいます。
- 受入証明書(永代使用許可証など)「新しい納骨先として、この方のご遺骨を受け入れることを承諾しました」ということを、新しい納骨先の管理者が証明する書類です。永代供養墓や納骨堂など、改葬先と契約した際に発行されます。
- 改葬許可申請書これらの証明書を添付して役所に提出する申請書本体です。申請者の氏名や住所、故人の本籍や氏名、死亡年月日、改葬の理由などを記入します。この書類は、現在お墓がある市区町村の役所の窓口で受け取るか、ウェブサイトからダウンロードできます。
これらの書類を揃えて、現在お墓のある市区町村の役所に提出すると、内容が審査された後に「改葬許可証」が交付されます。この許可証を墓地の管理者に提示して初めて、ご遺骨を取り出すことが可能となります。自治体によって書式や必要書類が若干異なる場合があるため、事前に役所の担当窓口に確認しておくとスムーズです。
改葬許可証の取得方法と注意点
改葬許可証の取得は、墓じまいの手続きにおける行政上の核心部分です。前述の通り、必要な書類を揃えて役所に申請しますが、ここではその取得方法と注意点をより詳しく解説します。
書類の入手先まとめ
- 改葬許可申請書: 現在お墓がある市区町村の役所の窓口、または公式ウェブサイト。
- 埋葬(収蔵)証明書: 現在のお寺や霊園の管理者。申請書と一体化している様式の場合もあります。
- 受入証明書: 新しい納骨先の管理者。
取得の際の注意点
- 時間の余裕を持つ: 書類を各所から取り寄せ、役所に申請してから許可証が交付されるまでには、数日から数週間かかる場合があります。特に、遠方のお寺や霊園との郵送でのやり取りには時間がかかります。墓石の撤去工事や法要の日程を決める前に、時間に余裕を持って手続きを開始することが大切です。
- 故人一人につき一枚: 改葬許可申請は、原則としてご遺骨一体につき一枚の申請書が必要です。複数の方のご遺骨を改葬する場合は、その人数分の申請が必要になる点に注意してください。
- 手数料の確認: 申請手数料や証明書の発行手数料は、自治体やお寺によって異なります。事前にいくらかかるのかを確認しておくと良いでしょう。
- 申請者の確認: 改葬許可を申請できるのは、原則としてお墓の使用者(名義人)です。もし名義人が亡くなっている場合などは、事前に親族間で誰が承継者として申請するのかを決めておく必要があります。
これらの点を押さえ、計画的に手続きを進めることで、行政手続きでつまずくことなく、スムーズに墓じまいを進めることができます。
お布施の金額は誰に相談すれば良いか
浄土真宗の墓じまいで行う遷仏法要などのお布施は、多くの人が金額に悩むポイントです。お布施は読経や法要に対する対価ではなく、ご本尊や僧侶、ひいてはお寺の維持活動への感謝を示す「ご寄付(財施)」であるため、明確な定価は存在しません。
では、目安が分からず困ったときは、誰に相談すれば良いのでしょうか。
直接お寺に尋ねる
最も確実なのは、法要をお願いするお寺の僧侶に直接尋ねることです。ただし、「おいくらですか?」とストレートに聞くのは少し失礼にあたる可能性があります。尋ねる際は、「皆様、おいくらくらいお包みされていますでしょうか」といったように、他の檀家の方を参考にする形で伺うと、角が立ちにくく、お寺側も答えやすくなります。
地域の石材店や葬儀社に相談する
お寺と付き合いの深い地域の石材店や葬儀社は、その地域のお布施の相場観を把握していることが多いです。墓石の撤去を依頼する石材店などに、それとなく相談してみるのも一つの方法です。
親族や地域の年長者に聞く
同じお寺の檀家である親族や、地域の慣習に詳しい年長者に相談するのも有効です。過去の法事などで、どのくらいのお布施をお渡ししたかといった実例を参考にすることができます。
大切なのは、金額の大小よりも感謝の気持ちです。しかし、あまりに相場からかけ離れた金額では、お寺との関係が気まずくなる可能性も否定できません。いくつかの情報を参考に、ご自身の経済状況とも照らし合わせながら、納得のいく金額を用意することが望ましいでしょう。
親族や寺院とのトラブルを回避する方法
墓じまいは、費用や手続きだけでなく、人間関係の調整が非常にデリケートな問題です。特に、親族間やこれまでお世話になったお寺との間で、意見の相違からトラブルに発展するケースは少なくありません。こうしたトラブルを未然に防ぐためには、事前の丁寧なコミュニケーションが不可欠です。
親族間トラブルの回避策
トラブルの主な原因は、「相談なく勝手に話を進めた」「費用の負担割合で揉めた」「新しい納骨先に反対された」といったコミュニケーション不足に起因します。
これを防ぐには、墓じまいを考え始めた最初の段階で、お墓に関わる全ての親族に声をかけ、話し合いの場を設けることが最も大切です。なぜ墓じまいが必要なのかという理由を誠実に説明し、費用負担や新しい供養の方法についても、一方的に決めるのではなく、全員の意見を聞きながら合意形成を目指す姿勢が求められます。
寺院とのトラブル回避策
お寺とのトラブルでは、「高額な離檀料を請求された」「墓じまいをなかなか承諾してもらえない」といったケースが挙げられます。
これを防ぐためには、まず墓じまいを決めたら、できるだけ早く、そして直接お寺に出向いて僧侶に相談することが基本です。電話や手紙で済ませるのではなく、対面でこれまでの感謝の気持ちと、墓じまいせざるを得ない事情を丁寧に説明します。これまでお世話になったことへの感謝を忘れず、誠意ある態度で臨むことで、お寺側も理解を示しやすくなります。離檀料については、前述の通り法的な義務はありませんが、感謝のしるしとしてお渡しすることを前提に、穏便な話し合いを心がけましょう。
いずれのケースにおいても、相手の立場や気持ちを尊重し、透明性のある話し合いを重ねることが、円満な墓じまいを実現するための鍵となります。
墓じまいの費用と浄土真宗のお布施で悩んだら
この記事では、浄土真宗の墓じまいに関する費用やお布施、特徴や手続きについて解説してきました。最後に、今回の内容の要点をまとめます。墓じまいを進める上で悩んだ際のチェックリストとしてご活用ください。
- 浄土真宗の墓じまいでは閉眼供養を行わない
- 閉眼供養の代わりに遷仏法要などを執り行う
- 教義上、故人の魂はすぐ成仏するためお墓に宿らない
- 墓じまいの費用総額は30万円から300万円程度と幅が広い
- 費用の内訳は墓石撤去、お布施、行政手続き、新しい納骨先費用など
- 墓石の撤去費用は墓地の立地や広さで変動する
- お布施は感謝の気持ちであり定価はない
- 離檀料に法的な支払い義務はないが慣習としてお渡しすることが多い
- 墓じまい後の供養先として本山納骨という選択肢がある
- 本山納骨は合祀が基本となりご遺骨は返還されない
- 墓じまいの最初のステップは親族間の合意形成
- お寺への相談は誠意をもって対面で行うのが望ましい
- 墓じまいには役所で改葬許可証の取得が必須
- 改葬許可の申請には埋葬証明書と受入証明書が必要
- 手続きには時間がかかるためスケジュールに余裕を持つ
- お布施の金額に悩んだらお寺や石材店、親族に相談する
- トラブル回避の鍵は事前の丁寧なコミュニケーション